ニューストピック[2006]

2006(平成18)年

2006.11.30
JGOGにおいて子宮体癌がん研究JGOG2043(研究代表者:青木大輔教授)がスタートします。

本試験の主要な目的は、子宮体がん再発高危険群を対象とし、術後化学療法としてのAP療法
(ドキソルビシン(doxorubicin, ADM)+シスプラチン(cisplatin, CDDP)併用療法)、DP療法(ドセタキセル(docetaxel, DOC)+CDDP併用療法)、TC療法(パクリタキセル(paclitaxel, PTX)+カルボプラチン(carboplatin, CBDCA)併用療法)の無増悪生存期間(Progression-free survival, PFS)を比較することである。
A群: AP療法 ADM 60mg/m2 +CDDP 50mg/m2 day 1 q 3weeks 6コース
B群: DP療法 DOC 70mg/m2 +CDDP 60mg/m2 day 1 q 3weeks 6コース
C群: TC療法 PTX 180mg/m2 +CBDCA AUC 6 day 1 q 3weeks 6コース
Primary endpoint : 無増悪生存期間(PFS)
Secondary endpoints : 全生存期間(overall survival)
有害事象発生率
投与状況(tolerability)
リンパ節郭清状況

対 象
手術が施行された子宮体がん再発高危険群
0.2.1 適格規準
1) 原発巣が子宮体がん(肉腫、がん肉腫を除く)であることが組織学的に確認されている患者
2) 少なくとも子宮全摘出術、両側付属器切除術と骨盤リンパ節郭清が施行され、残存腫瘍の長径が2cm以下である患者
3) 原発巣からの摘出標本の病理組織診断によって下記のいずれかの条件を満たす子宮体がん患者
・ 筋層浸潤1/2を超える手術進行期T-U期で、組織学的分化度Grade 2あるいは3
・ 手術進行期V期
・ 腹腔を超えた部位への遠隔転移*を認めない手術進行期W期
*例)胸腔、縦隔あるいは頸部リンパ節等への転移
4) 子宮体がんに対し、化学療法および放射線療法による前治療が行われていない患者
5) ホルモン療法の最終治療日より、登録時点で14日以上経過した患者
6) 一般状態(ECOG Performance Status,P.S.)が0-2の患者
7) 手術施行から6週以内に投与開始予定の患者
8) 年齢20歳以上75歳未満の患者(登録時)
9) 主要臓器(骨髄、心、肝、腎など)の機能が保持されている患者
以下の検査は、臨床検査値は登録日前7日以内
好中球数 2,000/mm3以上
血小板数 10万/mm3以上
ヘモグロビン 9.0g/dL以上
AST(GOT)、ALT(GPT)ともに 100U/L以下
総ビリルビン 1.5mg/dL以下
血清クレアチニン 1.2mg/dL以下
(2回以上の測定で確認することが望ましい)
以下の検査は、登録日前7日以内または投与開始予定日14日以内
クレアチニン・クリアランス 60mL/min以上
心電図 正常または無症状かつ治療を要しない程度
LVEF(Left Ventricular Ejection Fraction) 50%以上
10) 本試験の参加について文書による同意が本人より得られている患者

 

2006.9.22
内田 浩君(73回生)、田島博人君(76回生)第24回日本受精着床学会において世界体外受精会議記念賞を受賞

平成18年9月21日、22日両日にわたり軽井沢で行われた、第24回日本受精着床学会総会・学術講演会において、当教室の内田 浩君(73回生)と、田島博人君(76回生、埼玉社会保険病院出向中)に世界体外受精会議記念賞が授与された。
内田君は「ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤によるglycodelin発現誘導を介した着床促進効果」と題して、抗腫瘍薬として着目され、この程白血病治療薬として米国で認可がおりたばかりのヒストン脱アセチル化酵素阻害剤に、着床を促進する効果があることを、ヒト細胞株を用いた解析で明らかにしたことを発表し、基礎研究部門の同賞を受賞した。同研究は解析をさらに進めることで実際の臨床への応用が期待される。
一方、田島君は「ミトコンドリアDNA変異由来のLeigh脳症に対する着床前診断の精度と安全域に関する検討」の発表で臨床研究部門の受賞となった。同君の研究は、一般に着床前診断が困難とされるミトコンドリア病の変異を、わずかに一割球から診断する、簡便かつ高精度の測定法を開発し、信頼性の高い方法であることを示した。トランスレーショナルリサーチの手本となるような研究として高く評価され、受賞に至った。

 

2006.4.1
13名の後期臨床研修医が当教室において研修を開始いたしました。

新しい臨床研修制度の1期生です。

 

2006.4.25
日本産科婦人科学会 学術奨励賞・最優秀演題賞受賞

 平成18年4月22〜25日にかけて開催された第58回日本産科婦人科学会総会(於パシフィコ横浜)において、丸山哲夫講師が学術奨励賞、小野政徳君(79回)が、最優秀演題賞を受賞した。
  学術奨励賞は卓越した研究業績をあげ、我が国産婦人科学研究の将来を担う者に対して与えられる名誉ある賞である。また最優秀演題賞は1,200題余の発表演題の中から生殖医学・周産期医学・婦人科腫瘍学・女性医学の各部門から1題ずつを選ぶ賞であり、文字通り各部門の発表の頂点にあたる名誉ある賞である。
 丸山先生の京都大学ウイルス研究所・米国国立衛生研究所(NIH)への留学期間を含めた二十年余の研究は、不育症の免疫学的解明・子宮内膜の脱落膜化機能解析から、内膜・子宮筋由来の組織幹細胞単離研究へ発展し、その蓄積された業績が学会に高く評価され今回の受賞へとつながった。今回多くの候補者の中から丸山先生が選出されたことは大変喜ばしいことであり、今後も本塾が産婦人科研究をリードし続ける責を担う上で、この受賞は、さらなるモチベーションとなるものである。
 一方、小野君は現在大学院3年生で、日夜臨床検体と格闘しながら、子宮平滑筋から組織幹細胞を見いだすという大きなテーマに挑んでいる。そのテーマの大きさゆえに焦りと戸惑いを感じながらも、入学当初より果敢に挑戦していたが、常に謙虚に学問としてのサイエンスに正攻法で打ち込んで来たかいあって、今回「ヒト子宮平滑筋における成体幹細胞の同定と単離」という秀逸な研究発表を以て、最優秀演題賞を受賞するに至った。受賞の選考は、研究内容の先見性、発展性、戦略にとどまらず、発表というアピール力に至るまで総合的に審査されたものであり、同君の研究の今後のますますの発展への期待は言うを待たない。
 なお、同賞への選考過程として最優秀演題賞候補に藤井多久磨講師(66回)、平沢晃君(74回)、中林章君(75回)升田博隆君(76回)、渡邊昌紀君(78回)、高得点演題に鈴木直先生(69回)、鈴木淳先生(70回)、浜谷敏生先生(71回)、阪埜浩司先生(71回)、長島隆君(78回)と、候補118演題の中、教室・同窓会員から11名もの研究が選出されたことを付記しておく。

 

2006.2.25
市民公開講座「がん治療専門医をめぐって」が開催されます。

【日時】
平成18年(2006年) 2月25日(土) 13:00〜16:00(開場12:30)
【会 場】
慶應義塾大学三田キャンパス 西校舎ホール
【主 催】
慶應義塾大学医学部産婦人科
財団法人 長寿科学振興財団
【ホームページ】http://demo.omura.co.jp/~skk/index.html
今、話題のがん治療専門制度に関して、一般の方々にわかりやすく説明する公開講座です。