ニューストピック[2009]

2009(平成21)年

2009. 12.7
牧田和也君(66期)が 婦人科骨粗鬆症研究会奨励賞 を受賞


 平成21年11月14日(土)に、経団連会館において、第20回婦人科骨粗鬆症研究会学術集会が開催され、当教室の牧田和也君(66期)の演題「ホルモン補充療法が腰椎骨密度に及ぼす長期的な効果の検討」が奨励賞を受賞した。
 
 当科健康維持外来は主として女性ホルモン(エストロゲン)の低下により発生すると考えられている病気、すなわち更年期障害や骨粗鬆症、脂質異常症などの予防・早期発見・早期治療を目的として、診療を行っている。

 現在までに当外来に登録された方は3200名を越えたが、本研究は長年にわたる牧田君らの当科健康維持外来における豊富な症例検討をもとに行われ、その貴重なデータが評価の対象とな り、今回の受賞に至った。
 

2009. 11. 22
長島 隆君(78期)が 日本生殖医学会学術奨励賞 を受賞


 平成21年11月22日(土)・23日(日)に、石川県立音楽堂ならびにANAクラウンプラザホテル金沢において、第54回日本生殖医学会総会・学術講演会が開催され、当教室の長島 隆 君(78期)が、平成21年度日本生殖医学会学術奨励賞を受賞した。

 日本生殖医学会学術奨励賞は、国内外を問わず、前年度に掲載された生殖医療に関する原著論文の中で、最も卓越した研究業績に対して与えられる非常に栄誉ある賞である。昨年度の升田博隆君(76期)に引き続いての連年の受賞は教室として大変喜ばしいことである。

 ヒトの妊娠において、子宮内膜間質の脱落膜化は受精卵受入れのための重要なステップである。同君の所属する本学生殖内分泌研究室の丸山哲夫講師がその脱落膜化の分子機序に、非受容体型チロシンキナーゼであるSRCが深く関与していることを明らかにしていたが、その周辺分子のシグナル伝達機構は長らく不明のままであった。同君による今回の受賞論文は、このSRCによる脱落膜化のメカニズムをさらに詳細に明らかにしたものであり、生殖医療で大いな謎を秘めている着床のヴェールを取り除く上で、貴重な知見であることから、体外受精/胚移植などの生殖補助医療における妊娠率の向上のための基盤的研究として高く評価された。
 

2009. 11. 13
小野政徳君(79期)が 三四会奨励賞 を受賞


 北里柴三郎先生によって1917年に創設された慶應義塾大学医学部同窓会・三四会では、研究を奨励し実学としての慶應医学の発展を図る目的で、三四会奨励賞を設立している。この賞は、臨床医学、基礎医学、地域医療、社会貢献または三四会活動等において顕著な業績を挙げた者に、毎年10名程度を厳正に選出し、授与するものである。本年の授与式が去る平成21年11月13日の第89回慶應医学会総会で行われ、小野政徳君(79期)が受賞の栄誉に与かった。

  同君の研究の主旨は、妊娠時に劇的な増大を示す子宮筋において、組織幹細胞集団の存在を証明し、その役割の一端を明らかにしたことである。今回はその成果が評価された。同君の業績は吉村泰典教授、丸山哲夫講師、生理学教室の岡野栄之教授、松崎有未准教授をはじめ多くの共同研究者の尽力があって為されたものであるが、昨今注目される再生医学研究においてもその注目度は高い。

 ここ数年、当教室員から三四会奨励賞受賞が続いているが、教室員一同の地道な研究活動とその実践が高く評価された結果であろう。
 

2009. 7. 10
升田博隆君(76期)が 日本炎症・再生医学会学会奨励賞 を受賞


 日本炎症・再生医学会は、昭和47年に発足した前身の日本炎症学会が、学術のミレニアムプロジェクトに再生医学が採択されたことを受けて平成13年より「日本炎症・再生医学会」に改称された歴史ある学会であり、炎症学から再生医学にわたる広い領域の発展に貢献している。

 その第30回日本炎症・再生医学会が7月6日から10日にかけて第9回国際炎症学会と同時に京王プラザホテルにて開催され、当教室の升田博隆君(76回)が第15回(平成21年度)日本炎症・再生医学会奨励賞の栄誉に預かった。

 日本炎症・再生医学会奨励賞は本邦における炎症・再生医学に関する基礎的・臨床的研究の進展を図ることを目的とする賞であり、厳正な選考の元に炎症・再生医学の領域でその功績が顕著であるものに対して授けられる大変名誉ある賞である。 当教室と本学生理学教室との共同研究の成果である同君の論文”Noninvasive and real-time assessment of reconstructed functional human endometrium in NOD/SCID/γc null immunodeficient mice” (Proceedings of the National Academy of Science of United States of America (PNAS)に掲載)が高く評価され受賞に至った。

 激しい月経痛や慢性的下腹部痛といった痛みを中心に女性のQOLを著しく損ねる子宮内膜症(内膜症)は、発症機序や病態生理も未だ不明であり、根治的治療法がない。そのため、内膜症の発病・病態解明および新規薬剤の開発は急務となっている。升田君は、免疫不全マウスとヒト子宮内膜細胞そしてレンチウィルスを用い、新しい内膜再生・内膜症モデルマウスを開発した。このモデルは既存のモデル動物が持つさまざまな問題点を克服している。中でも特記すべき点はヒト子宮内膜様の構造および機能を持った異所性内膜組織の動態が、体外から長期にわたり非侵襲的かつリアルタイムに定量化することが可能な点である。このモデルは内膜症の病態生理および正常内膜のin vivo研究ツールとして極めて有用と考えられるとともに、臨床的にも内膜症に対する新規薬剤の検定・評価システムとしての使用が期待される。この研究はトランスレーショナルリサーチとしての評価も高く、今後もさまざまな分野への応用が期待される。
 

2009. 7. 7
久慈直昭君(61期)が ESHRE において Basic Scientific Poster Award を受賞


 平成21年6月28日〜7月1日に開催されたヨーロッパ生殖医学会(ESHRE: The European Society of Human Reproduction and Embryology)において、当教室講師の久慈直昭君(61期)が、Basic Scientific Poster Award を受賞し、メインホールで催された閉会式において、口演による発表の機会が与えられた。

 発表演題名は、"Global gene expression analysis in single oocytes from young and aged mice"で、単一の卵子から採取したRNAを材料に、すべての遺伝子を遺伝子同士の量的比率を保ったまま増幅することによって、ある卵子に発現するmRNAの構成をDNAマクロチップで網羅的に解析する新しい手法を報告したものである。

  本研究の今後の進展により、将来卵子や胚の質的診断が可能となれば、体外受精の際の排卵誘発法の評価や、良好胚の選別に多くの情報をもたらすことが期待されるものである。

 
2009. 6.23
岸見有紗君(83期)が優秀演題賞を受賞

 平成21年6月14日に第116回日本産科婦人科学会関東連合地方部会学術集会が日本大学主催で都市センターホテルにて開催された。関東連合地方部会は連合地方部会のなかでも最大の会員数を誇り、今回の学術集会でも教育講演やシンポジウムに加えて一般演題も143題にのぼった。

 多数の演題のなかで、岸見有紗君(83期)が発表した「腹式広汎性子宮頸部摘出術(abdominal radical trachelectomy)後,自然妊娠し正期産児を得た1 例」が優秀演題の中から1題のみ選ばれる優秀演題賞を受賞した。

  同君の今回の発表は、近年子宮頸癌に対し妊孕性温存を目的に行われるようになった腹式広汎性子宮頸部摘出術が施行された症例の中でも、国内初の正期産児を得た1例を報告したものである。これは、同術式を受けて現在妊娠成立を目指している患者を勇気づける症例報告であり、その内容に加えて、同君の発表・質疑応答に対する高い評価をもって受賞となった。

 
2009. 5.25
浜谷敏生君(71期)が Human Reproduction Update の editor に就任


  2009年1月より、当科講師の浜谷敏生君(71期)がヨーロッパ生殖医学会 ESHRE(The European Society of Human Reproduction and Embryology) が発刊する Human Reproduction UpdateのAssociate Editor に就任しました。

The Current Issue 同誌はReproductive Biology全般を取り扱いますが、特に不妊症臨床の学術誌としては世界的に最も有名な雑誌 (Impact factor 7.257) の一つです。

 投稿論文に対して査読者を決定し、Chief Editorと共に採否を判断し、雑誌の質を維持することは多大な労力を要しますが、教室内でこれから英文投稿を考えている先生方に対して浜谷君が有用なアドバイスをしてくれることを期待します。

http://www.oxfordjournals.org/our_journals/humupd/editorial_board.html

 

2009. 4.30
日本産科婦人科学会において進伸幸君(65期)、小澤伸晃君 (67期)、平沢晃君(74期)がグッドプレゼンテーション賞を受賞


 平成21年4月3日から5日までの3日間、国立京都国際会館において第61回日本産科婦人科学会学術講演会が開催された。

 日本産科婦人科学会は国内最大の産婦人科の学会のため、発表される演題は実に1,000題を越える。それら数ある演題の中で特に優れている10演題は、優秀演題賞候補とされ山田満稔君(81期)小野政徳君(79期)が選ばれた。
  さらに高得点演題には、同窓から進 伸幸君(65期)、小林陽一君(65期:聖マリアンナ医科大学)、小澤伸晃君 (67期:国立成育医療センター)、峰岸一宏君(72期)、冨永英一郎君(72期)、岩田 卓君(74期)、平沢 晃君(74期)、仲村 勝君(80期:東京歯科大学市川病院)の8人が選ばれた。

 そのなかで進 伸幸君、小澤伸晃君 (昨年に引き続き2度目)、平沢 晃君が優秀な発表であったとしてグッドプレゼンテーション賞に表彰された。

進 伸幸君 「若年体癌症例に対する子宮温存目的酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)療法のpitfall―子宮摘出に至った21 症例における子宮外病変の検討より―」

小澤伸晃君 「流産の遺伝学的原因に対する検索法の確立」

平沢 晃君 「UGT1A1 遺伝子多型とイリノテカンの有害事象およびグルクロン酸抱合能に関するゲノム薬理学的検討」