ニューストピック[2012]

2012(平成24)年

2012.12.8
宮崎薫君(83期)が日本生殖内分泌学会学術奨励賞を受賞

平成24年12月8日に東京で開催された第17回日本生殖内分泌学会学術集会において、教室の宮崎薫君(83期)が日本生殖内分泌学会学術奨励賞を受賞した。本会は、基礎は医薬農理学系から、臨床は産婦人科、小児科、泌尿器科、内科など、多分野に亘る会員から構成される学際的な学会である。
本賞は、応募演題の中から研究内容の独創性などが特に優秀であると評価された3題に対して授与される賞であり、宮崎君のヒト子宮内膜再構成システムを用いたin vivo幹細胞アッセイの開発に関する論文が選ばれた。
ヒト子宮内膜は、月経周期に伴って組織再生と組織崩壊・剥脱を繰り返すことから、子宮内膜幹細胞の存在が示唆されている(Maruyama, T, et al, Reproduction, 2010)。子宮内膜side population細胞(ESP)を免疫不全マウスに移植すると内膜様組織が再構築され、子宮内膜main population細胞(EMP)にはその性質が認められないことから、ESPは子宮内膜幹細胞の候補とされている(Masuda, H., et al., PLoS ONE, 2010)。しかし、その再構築率は8%と低く、生理学的なESPの分化能を再現良く観察するためには、その分化能を引き出す微小環境(ニッチ)の存在が必要であると考えた。そこで本研究では、ESPあるいはEMPを蛍光タンパクで標識したうえで、ニッチを有すると考えられる全子宮内膜細胞と混合し、免疫不全マウスの腎被膜下に移植した結果、子宮内膜様組織がほぼ100 %の効率で再構築されるとともに、ESPの分化能がEMPよりも高いことを証明した。ニッチ存在下、すなわちより生理的な環境での特定ヒト細胞集団の幹細胞特性を、標識細胞追跡法とin vivo再構成系で証明するという独創的なアイディアに加えて、これまでに無い高い組織再構築率、画像解析による定量的かつ客観的な比較・検討法を用いた点、さらにESPだけでなく他の幹細胞候補集団の検証にも応用可能であるという汎用性が評価されて受賞となった。
なお、これで同賞の受賞は、平成14年の丸山哲夫君(65期)、平成19年の小野政徳君(79期)に続く教室から3人目の受賞となった。

 

2012.12.11
池ノ上 学君(86期)が第28回日本糖尿病・妊娠学会学術集会において若手奨励賞を受賞しました。

池ノ上 学君(86期)が第28回日本糖尿病・妊娠学会学術集会において若手奨励賞を受賞しました。 日本糖尿病・妊娠学会では、内科および産婦人科医師およびコメディカルが妊娠時の糖代謝異常の取り扱いや母児フォローアップ、糖尿病・メタボリックシンドローム発症予防などの諸課題に対して共同で取り組んでいる。本年度の学術集会において当教室の池ノ上 学君が下記演題を発表し若手奨励賞を受賞した。

演題:当院における新診断基準導入後の妊娠糖尿病の臨床像に関する検討
2010年にIADPSG(International Association of Diabetes and Pregnancy Study Group)から世界統一の妊娠時の糖代謝異常に関する診断基準が提言され、わが国でも2010年7月から新診断基準の運用が開始された。IADPSG新基準ではOGTT1点陽性群も妊娠糖尿病(GDM)と診断されるようになったが、これまで新基準導入後の臨床像に関する知見は明らかではなかった。このことを踏まえ、池ノ上君は、当院における新基準導入後の妊娠分娩管理例853例をもとにGDMの臨床像およびOGTT1点陽性例のインスリン導入予測因子に関する検討を行った。
今回の検討ではGDMの頻度は2.3%から11.8%へ上昇すること、2点/3点陽性群は1点陽性群と比較し有意にインスリン導入率が高率であること、1点陽性群でも約20%でインスリン導入が必要であることが示された。さらに、食事療法中の自己血糖採血結果を解析したところ、毎食前および朝食後においては1点陽性群よりも2点・3点陽性群で血糖値が有意に高値であった。このことから、2点・3点陽性群では、その背景にあるインスリン分泌遅延により食後の血糖上昇が次の食事前まで持続することが示唆された。さらにOGTT1点陽性例の母体背景の解析により糖尿病家族歴とインスリン導入との関連が示唆された。
新基準を導入している国はいまだに少数であり、産科と内科の円滑な連携のもと周産期管理を行っている当院のデータは諸外国への貴重な情報発信となるものと考えられる。池ノ上君をはじめ教室員の臨床研究により我が国のGDMに関する知見が集積されることに期待したい。(宮越敬 記)

 

2012.11.20
木須伊織君(83期)が第124回関東連合産科婦人科学会学術集会において優秀演題賞を受賞しました。

木須伊織君(83期)が第124回関東連合産科婦人科学会学術集会において優秀演題賞を受賞しました。 平成24年10月28日に山梨県甲府市で行われた第124回関東連合産科婦人科学会学術集会において木須伊織君が優秀演題賞として表彰されました。
発表演題は、「子宮機能の保持にはどの血管が必要か?〜霊長類動物モデルを用いた子宮血流動態の解析〜」で、同君はindocyanin green(ICG)蛍光法による赤外観察カメラを用いて、カニクイザルにおける子宮血流動態を解析し、子宮機能の保持にどの血管が必要かについて解析しました。
ICG蛍光法を用いることで、術中リアルタイムに子宮血流動態が観察され、経時的な時間―輝度曲線を作成し定量的に子宮血流動態を解析した点や、他領域で臨床応用されているICG蛍光法を婦人科臓器の血流評価に初めて用いた点などが高い評価を得ました。近年、広汎性子宮頸部摘出術が行われるようになり、子宮血流は妊娠・出産を含めた子宮機能の保持に重要な要素として注目されています。
子宮の妊孕性機能の保持にどのくらいの血流が必要であるかは議論が続いており、産婦人科学教室のがんプロフェッショナル養成プラン大学院生第1号でもある同君のICG蛍光法を用いた子宮の血流解析研究の発展が今後も期待されます。(阪埜浩司記)

 

2012.11.09
吉村泰典教授が福澤賞を受賞しました

吉村泰典教授が福澤賞を受賞しました平成24年11月9日に、教室の吉村泰典教授が福澤賞を受賞した。昭和24年より毎年、慶應義塾学事振興資金より教職員を対象に「福澤賞」「義塾賞」の表彰が行われている。「福澤賞」は「特に学問水準の向上に寄与する研究業績を挙げた者」が厳選されて授与される。慶應義塾がその名を選んで冠せているように、非常に栄誉のある賞である。
吉村教授は、厚生科学審議会専門委員、法制審議会委員、内閣府総合科学技術会議専門委員、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員、日本学術会議生殖補助医療の在り方検討委員会委員などを歴任し、我が国の生殖医療および周産期医療において、クライアント・患者そして、生まれて来る子どもたちを守るための法整備が必要であることを終始一貫訴えてきている。その成果の一部が、HPVワクチンの公的助成や特定不妊治療費助成制度の確立、周産期医療従事者の待遇改善、妊婦検診の公的助成増額などに結実している。
また、平成19年より23年までの日本産科婦人科学会の理事長在任中は、新臨床研修制度開始による全国的な産婦人科医療の混乱があり、決定的な産婦人科離れおよびメスを握る外科離れを誘発した福島県大野病院訴訟があったが、産婦人科医療の現実的な正当性を訴える形で解決した。さらに未曾有の大震災で壊滅的な打撃を受けた東北地区産婦人科医療への迅速な支援体制の確立を行うなど、日本社会における産婦人科医療を受益者のために守り続けてきている。
現在も続く産婦人科医療の危機的状況の恐らく最も厳しい時期を、耐え忍びつつ上向きに回復させてきた、これらの一連の業績が評価され、今回の受賞となった。

 

2012.11.08
内田浩君(73期)が日本生殖医学会学術奨励賞を受賞

第57回日本生殖医学会学術講演会が、平成24年11月8日、9日の両日に渡って長崎で開催された。その中で教室の内田浩君(73期)が、日本生殖医学会学術奨励賞を受賞した。
この賞は、該当する1年間に発表された生殖医学に関する論文の中から、特に優秀な論文に対して授与される賞であり、内田君のヒト着床における子宮内膜上皮細胞の動態に関する論文が選ばれた。当日は、壇上で日本生殖医学会理事長である教室の吉村泰典教授より手ずから賞状を渡され、印象深い授賞式となった。
ヒトの着床において、受精卵は子宮内膜組織に侵入して妊娠組織を形成していく。ウイルスや細菌などに対して通常はバリアとして働き、非自己を通過させない子宮内膜の上皮細胞が、いかにして受精卵を受け入れて行く(通過させていく)のかという機序に関しては、これまで細胞死によるものだとされてきた。しかし、受精卵の通過・侵入は上皮細胞の細胞死を待っているほどのタイムスパンではない(もっと速い)のではないかという着想から、上皮細胞が上皮間充織転換という特異な細胞動態変化を遂げて、運動することで受精卵の侵入ルートを作り出す(道をあける)のではないかということを示した論文である。これまで初期発生やがんの浸潤など、限定された局面でのみ観察されていた上皮間充織転換という特異とされてきた生命現象が、生殖の分野でも起こりえているという独創的な考えと、それを示唆するデータの蓄積が評価されて受賞となった。
なお最近では、同賞を平成20年の升田博隆君(76期)、平成21年の長島隆君(78期)が受賞している。

 

2012.10.14
牧田和也君(66期)が第27回日本女性医学学会学術集会において学会奨励賞(臨床研究部門)を受賞しました

牧田和也君(66期)が第27回日本女性医学学会学術集会において学会奨励賞(臨床研究部門)を受賞しました平成24年10月13日と14日の2日間に亘り、山形県山形市の山形国際ホテルにおいて第27回日本女性医学学会学術集会が開催された。日本女性医学学会は、平成23年度より日本更年期医学会から名称変更し、更年期を中心とした女性のライフステージ全般にわたり、女性のヘルスケアについて学術的議論を行っている。
日本更年期医学会の時代から、本分野の進歩・発展に貢献する優秀な業績に対し毎年若干名に学会賞が贈られていたが、本学会では、賞体系の見直しが図られ、今年度より女性医学の進歩・発展に貢献する優秀な研究を行った者に対して、「学会奨励賞」が基礎医学部門と臨床医学部門に分けて新設された。 牧田和也君はこのうちの「学会奨励賞:臨床研究部門」を授与され、受賞講演「婦人科更年期外来受診患者および長期フォロー患者からみたエストロゲン低下を主因とする各種疾患の実態解明とその治療法としてのホルモン補充療法の意義について」を行った。
牧田君は、日本更年期医学会の前身である更年期医学研究会の時代から更年期医学の研究と診療に従事し、以後20年以上にわたって更年期を中心とする女性のヘルスケアに貢献してきた。現在も慶應義塾大学病院婦人科にある「健康維持外来」の責任者として精力的に診療に従事し、その一方熱心に研究および学会活動を行っている。今回の受賞を励みに、さらなる活躍を期待したい。

 

2012.9.28
International Federation of Placenta Associations Meeting 2012で小林佑介君(82期)が、Y.W.Loke Awardを受賞しました。

International Federation of Placenta Associations Meeting 2012で小林佑介君(82期)が、Y.W.Loke Awardを受賞しました。平成24年9月18日から21日にわたって、広島国際会議場においてInternational Federation of Placenta Associations Meeting 2012が開催された。同学会では周産期から絨毛性疾患までの胎盤や絨毛に関わる臨床及び基礎研究内容が世界中の研究者より発表され、その内容は診断、治療に広く利用されている。今学会で、多数の演題の中から優れた内容として教室の小林佑介君(82期)の発表演題「Investigation for tumorigenesis and new molecular target of choriocarcinoma by induced choriocarcinoma cell-1」がY.W.Loke Awardとして表彰され、Award Sessionにおいて講演が行われた。また、同君はWorkshop Session; Gestational Trophoblastic Diseaseにも招かれ「Establishment of induced choriocarcinoma cell-1 to reveal the remaining problem in choriocarcinoma」をタイトルとした講演も行った。絨毛癌はその発生頻度の低さや、初回治療として手術療法に先行して化学療法が選択されることが多いことから臨床検体が非常に得られにくく、検体を用いた研究は困難であった。また臨床像に一致した絨毛癌動物モデルは確立されておらず、絨毛癌の発癌および転移機構は未だ明らかになっていない。
International Federation of Placenta Associations Meeting 2012で小林佑介君(82期)が、Y.W.Loke Awardを受賞しました。以上の絨毛癌研究を取り巻く背景を打破するために、同君は絨毛癌モデルiC³-1 (induced choriocarcinoma cell-1)を樹立し、絨毛癌の浸潤にmatrix metalloproteinasesが関与している可能性や、転移機構にepithelial mesenchymal transitionが関わっていること、さらにはSOX3遺伝子が絨毛癌の増殖に関与することを報告した。稀少疾患である絨毛癌の実験モデルの樹立に成功したこと、さらにそのモデルを用いて絨毛癌の増殖、浸潤、転移メカニズムの一端を明らかとした、今後の絨毛癌治療と研究に大きな影響を与える内容であることから、今回の国際学会での名誉ある受賞へとつながった。同君は既に昨年開催された第63回日本産科婦人科学会学術講演会で婦人科腫瘍学部門の最優秀演題賞を、第19回日本胎盤学会学術集会で相馬賞をそれぞれ受賞している。今回の受賞は同君の研究内容が国内のみならず世界的にも評価されたことを示しており、現在はアメリカのJohns Hopkins大学に研究留学している同君の今後のさらなる活躍が期待される。

 

2012.8.8
阪埜浩司君(71回)が3年連続で平成23年度Best Teacher Awardに選ばれました。

阪埜浩司君(71回)が3年連続で平成23年度Best Teacher Awardに選ばれました。Best Teacher Awardとは、医学部1年生から6年生の学生が教員を評価する制度です。毎年各学年3人ずつ計18人の教員が選ばれます。今回、阪埜浩司君が第5学年の選ぶBest Teacher Awardに3年連続で選出されました。3年連続での選出は異例の快挙であり、彼の熱血指導の賜物でもあると言えます。
阪埜君が担当する婦人科臨床実習は、義塾伝統の数多くある臨床実習の中でもひときわ輝きをはなっており、学生の中でも評判の実習の一つであります。
彼は診療・研究において、一切の妥協を許しません。
学生への教育も同様であり、そのような厳しくも熱意にあふれた教育スタイルが評価されて、今回の3年連続の受賞につながったものと思われます。
そのような彼に魅了され産婦人科医への道を志す者も少なくはありません。
今後も引き続き、産婦人科臨床実習を通じて、産婦人科の魅力を伝え、未来の産婦人科医を育む彼の活躍を大いに期待したいと思います。

 

2012.7.25
長島 隆君(78期)94th The Endocrine Society Outstanding Abstract Awardを受賞

長島 隆君(78期)94th The Endocrine Society Outstanding Abstract Awardを受賞米国テキサス州ヒューストンにて2012年6月23日から26日の間で開催された94th ENDO(The Endocrine Society's Annual Meeting & Expo)において、当学産婦人科学教室の長島隆君(78期)がOutstanding Abstract Awardを受賞した。
1916年に米国で創立されたThe Endocrine Societyは、基礎および臨床研究を通じて内分泌学の発展と人類の福祉への貢献を目的とする、最古かつ権威ある世界最大規模の内分泌学会である。今回同君の受賞した賞は、同団体が年に一度開催する学術集会に際して、全世界から応募のあった全ての演題の中から、特に卓越して優れた報告に与えられる大変名誉ある賞である。
同君は、2009年から米国テキサス州にあるBaylor College of Medicineでpostdoctoral fellowとして研究留学を続けており、これまでにMolecular EndocrinologyやPLoS Geneticsといった著名な学術誌へ論文を発表してきた。留学先のボスであるMartin M. Matzuk教授は世界的に高名な生殖生物学研究者であり、TGF-β superfamilyの生殖器官における役割を明らかにするなど、多くの画期的な業績を挙げている。
今回の同君の受賞演題「Bone Morphogenetic Protein Receptor Type 2 (BMPR2) is Required for Establishment of an Adequate Uterine Environment to Support Normal Placentation」もTGF-β superfamilyに関する仕事である。同superfamilyに属するBMP familyのレセプターBMPR2が、胎盤形成初期において、母体―胎児間の血管接合と再構築(uterine spiral-artery remodeling)に関与する遺伝子群を統括する“マスター”遺伝子であることを解明し、その詳細なメカニズムを明らかにした。同君が作成した子宮特異的BMPR2ノックアウトマウスは、子宮内胎児発育遅延ならびに胎盤早期剥離に酷似した病態を呈することから、BMPR2が常位胎盤早期剥離の原因遺伝子のひとつである可能性が示されている。肺高血圧症の原因遺伝子として近年脚光を浴びているBMPR2が、妊娠子宮における血管リモデリングにも必須であることを解明した点で、高い評価を受けたと推察される。同君の今後の更なる飛躍を期待したい。

 

2012.7.25
丸山哲夫君(65期)第十四回神澤医学賞を受賞

丸山哲夫君(65期)第十四回神澤医学賞を受賞当学産婦人科学教室の専任講師である丸山哲夫君は、平成23年度(第14回)神澤医学賞を受賞し、その贈呈式と受賞講演が平成24年6月1日(金)ホテルオークラ東京のオークルームにて行われた。神澤医学賞は、1)リプロダクティブエイジの女性に発現する各種疾患の成因、予防、診断、治療等に関する研究、2)加齢と共に女性に発現する各種疾患の成因、予防、診断、治療等に関する研究、の領域に属する基礎又は臨床研究において、先見的、独創的研究により、顕著な功績をあげた研究者のなかから、公益財団法人神澤医学研究振興財団が毎年一名を選んで褒賞(金300万円)する賞である。今回の同君の受賞テーマは、「成体幹細胞を用いたヒト雌性生殖器官の再生・再建と疾患モデルの構築」である。これは、本教室と当学生理学教室(岡野栄之教授、松崎有未准教授)との共同研究を端緒にして、同君とその研究グループがこれまで展開してきた研究プロジェクトである。ヒト雌性生殖器官、特にヒト子宮の内膜と平滑筋における幹細胞を世界に先駆けて分離・同定したことをふまえて、現在、その機能解析を通じてヒト子宮の生理および病理メカニズムにおける幹細胞の役割を明らかにするとともに、幹細胞を用いた再生医学・再生医療の開発・構築を目指している。今回の受賞を励みに、同君も含め教室員一同が、更に医学研究に従事し推進していくことを期したい。

 

2012.7.7
有馬宏和君(85回生)が平成24年度神奈川県産科婦人科医会浜田記念学術奨励賞を受賞

有馬宏和君(85回生)が平成24年度神奈川県産科婦人科医会浜田記念学術奨励賞を受賞有馬宏和君が平塚市民病院に出張中に投稿した論文「抗NMDA(N-methy1-D-aspartate)受容体抗体陽性脳炎を呈した卵巣皮様嚢腫の1例」が平成24年度神奈川県産科婦人科医会浜田記念学術奨励賞を受賞した。
神奈川県産科婦人科医会浜田記念学術奨励賞は平成23年度の神奈川地方部会誌に投稿された論文の中から40歳以下の筆頭著者を対象に授与される賞で1年に2人が対象となり、本論文は平成23年度の論文のうち最高得点での受賞となった。
本論文は産婦人科においても近年注目されつつある疾患である「抗NMDA受容体抗体陽性脳炎」についての症例報告である。本疾患は一般的な卵巣良性腫瘍である卵巣成熟嚢胞性奇形腫に罹患している若年女性が感冒などを契機に精神・神経症状を発症するものであり、我々産婦人科医としては知っておきたい疾患の一つである。本論文では症例の詳細な経過を報告するとともに、文献的な考察をしたことによって本疾患のReview的な要素を含んでいたことが受賞の要因であると考えられる。
今後も同君の臨床症例における探究心に期待したい。

 

2012.4.15
第64回日本産科婦人科学会学術講演会で千代田達幸君(83期)が優秀演題賞を受賞しました

平成24年4月13日から15日の3日間にわたって、神戸ポートピアホテルにおいて、第64回日本産科婦人科学会学術集会が開催された。
今学会で、婦人科腫瘍学部門の優秀演題賞候補演題にノミネートされていた教室の千代田達幸君(83期)が、優秀演題賞として表彰された。発表演題は、「子宮体部癌肉腫の癌部ではTGF-β-Smad2/3経路が活性化し上皮間葉転換(EMT)をきたしている」で、同君が津田浩史君の指導のもと行った研究である。癌肉腫は現在、腺癌に準じた治療が推奨されているものの、その予後は不良であり新たな治療戦略が求められている。同君は癌肉腫と腺癌と肉腫の発現プロファイルを比較することにより、癌肉腫は腺癌とは性格が異なることを示した。さらに、癌肉腫においてはTGF-β経路が肉腫部のみでなく癌部でも活性化しておりEMTを引き起こしていると考えられること、19番染色体長腕部分の増幅がTGF-β経路活性化の一因と考えられること、を明らかにした。これら癌肉腫の特性を明らかにし、今後の治療戦略に影響を与えうる内容が高く評価され受賞に至った。

 

2012.4.15
第64回日本産科婦人科学会学術講演会で鶴田智彦君(81期)が優勝論文賞を受賞しました

第64回日本産科婦人科学会学術講演会で鶴田智彦君(81期)が優勝論文賞を受賞しました平成24年4月13日から15日までの3日間、神戸ポートピアホテルならびに神戸国際展示場において第64回日本産科婦人科学会学術講演会が開催された。6302名という過去最高の人数参加者数となり大盛況となった。平成21年度より設置された優秀論文賞は、周産期医学、生殖医学、婦人科腫瘍学、女性医学の4部門において、年間で国内外の科学雑誌に掲載された論文のうち、厳正な審査を経て最も優秀と判断された論文の発表者に授与される賞である。この優秀論文賞のうち、婦人科腫瘍学部門において、永寿総合病院勤務ならびに当教室の鶴田智彦君(81期)の論文、miR-152 is a tumor suppressor microRNA that is silenced by DNA hypermethylation in endometrial cancer (Cancer Research, 2011)が選出され受賞となった。同君は本論文中でmiR-152は子宮体癌の9割を超える症例においてメチル化異常により発現抑制される癌抑制遺伝子型miRNAであることを明らかとした。またその標的遺伝子はDNMT1、E2F3、MET、ならびにRictorであることを同定しそれらはメチル化や癌の増殖に関わる重要分子であることを明らかにした。さらに子宮体癌細胞株をマウスに皮下移植し移植部腫瘍重量がmiR-152の投与によって有意に軽減されたことから、miR-152は癌増殖抑制機能を有するmicorRNAであるため新規癌RNA創薬への可能性を示唆した。新たな子宮体癌治療体系の構築に寄与する研究として高く評価され今回の受賞に至った。同君の論文は本年3月に平成23年度東京医科歯科大学難治疾患研究所の優秀論文賞も受賞しており、産婦人科領域だけでなく腫瘍の研究領域における新たな治療法への応用を望む現在の状況を反映する結果であると思われる。

 

2012.4.15
第64回日本産科婦人科学会学術講演会で片岡史夫君(75期)がグッドプレゼンテーション賞を受賞しました

今学会で、婦人科腫瘍学部門の高得点演題の中から、教室の片岡史夫君(75期)がグッドプレゼンテーション賞として表彰された。発表演題は、「子宮体癌におけるセンチネルリンパ節生検の精度の検討-早期子宮体癌におけるリンパ節郭清省略の可能性-」で、同君や進伸幸君(65期)、山上亘君(79期)が中心になって2009年より行っている臨床研究に関連したものである。センチネルリンパ節は、癌の原発巣から最初に転移を生じるリンパ節であり、その同定を行い同部に転移が無ければ従来の系統的リンパ節郭清が省略可能とする考え方である。乳癌領域では現在標準的な手技となっているが、子宮体癌においてはその精度の検討が始められたばかりというのが国内の現状である。同君の演題は、国内最大規模の症例数で子宮体癌におけるセンチネルリンパ節の精度を詳細に検証したものであり、海外の報告と比較してもその正診率が極めて高いことが評価された。この早期子宮体癌におけるリンパ節郭清省略の可能性を明確に示した研究内容に、会場では多くの注目を集め今回の受賞へとつながった。

 

2012.3.22
鶴田智彦君(81回生)が平成23年度東京医科歯科大学難治疾患研究所優秀論文賞を受賞

鶴田智彦君(81回生)が平成23年度東京医科歯科大学難治疾患研究所優秀論文賞を受賞 平成24年3月8日に東京医科歯科大学にて開催された難治疾患研究所研究発表会において当教室の鶴田智彦君が平成23年度東京医科歯科大学難治疾患研究所優秀論文賞を受賞した。

この発表会は基礎研究に携わる大学院生・若手研究者が日頃の成果を発表するものであり、今回「miR-152 Is a Tumor Suppressor microRNA That Is Silenced by DNA Hypermethylation in Endometrial Cancer」の演題で受賞した。鶴田君は東京医科歯科大学難治疾患研究所分子細胞遺伝(稲澤譲治教授)で大学院特別研究生として平成19年より4年間、婦人科悪性腫瘍特に子宮体癌における発癌・進展機序に関与する分子機構の解明をテーマに、近年ゲノム情報発現系における新たなネットワークとして注目されているmicroRNAに着目して癌増殖抑制機能を有するmicroRNAの研究を続けていた。

同君の研究成果は約90%の子宮体癌症例においてmiR-152はDNA過剰メチル化により発現抑制を受けていることを明らかとした。またその標的遺伝子はDNMT1、E2F3、MET、ならびにRictorであることを同定しそれらはメチル化や癌の増殖に関わる重要分子であることを明らかにした。さらに子宮体癌細胞株をマウスに皮下移植し移植部腫瘍重量がmiR-152の投与によって有意に軽減されたことから、miR-152は癌増殖抑制機能を有するmicorRNAであるため新規癌RNA創薬への可能性を示唆した。新たな子宮体癌治療体系の構築に寄与する研究として高く評価され今回の受賞に至った。なおこの研究成果は東京医科歯科大学難治疾患研究所との共同研究により実現したものである。