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着床前遺伝子診断トップ

1. 着床前遺伝子診断に対する我々の取り組み

重篤な遺伝病の保因者に対して、初期胚から胚生検を行い、遺伝情報を診断する着床前遺伝子診断(PGD)について、倫理的・社会的・法的・心理的・医学的などの各観点から1992年より学内外での活動を通じて検討を行ない、2003年より日本初の承認を受け実施しています。現在、わが国の単一遺伝子病の着床前遺伝子診断事例のほとんどを当大学で実施しています。

2. 着床前遺伝子診断の倫理審査申請と承認

わが国で最初にDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)の遺伝子保因者に対して着床前遺伝子診断の倫理申請を行い、慶應義塾大学医学部倫理委員会および日本産科婦人科学会倫理委員会での審査を経て承認され、現在まで基準に従って実施しています。
DMDのほか、染色体異常症、副腎白質ジストロフィー、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、筋強直性ジストロフィー、ピルビン酸脱水素酵素欠損症、福山型筋ジストロフィー骨形成不全症、MTHFR欠損症、福山型筋ジストロフィー、ミトコンドリア病(Leigh脳症)など多くの対象疾患の実績を有しています。

3. 診断の情報

遺伝子診断は疾患の原因となる遺伝子変異に対して、個々の遺伝子型に対応する診断法を事例毎に作製して、診断を行うことを原則としています。最近では,マイクロアレイ法(アレイCGH法)を用いた新たな遺伝子解析も全て自施設で行っています。遺伝カウンセリングは、慶應義塾大学病院臨床遺伝学センター外来(水曜日午後,予約制)で、臨床遺伝専門医を中心とした体制で行なっています。

4. 着床前遺伝子診断の追跡調査

厚生労働科学研究補助金の分担研究として、わが国で行われている着床前遺伝子診断全事例に対する調査拠点として、データ集積を行い、問題点の抽出・新たな技術の導入、生児の追跡調査などを行っています。