慶應義塾大学医学部産婦人科学教室のウェブサイトをご覧いただき、誠にありがとうございます。産婦人科は、生命の誕生と女性の生涯にわたる健康に寄り添う、重要でやりがいの大きい診療科です。婦人科腫瘍、周産期、生殖・内分泌、女性医学に加え、手術学、内分泌学、遺伝医学など多様な領域を包含し、診療・研究・教育のすべてにおいて、患者さんと社会に大きな価値を提供できる分野です。私たちは、単なる専門医の育成にとどまらず、「気品の泉源、智徳の模範」として「全社会の先導者」を育成することを使命としています。
当教室は、婦人科腫瘍、周産期医療、生殖・内分泌医療、女性ヘルスケア、低侵襲手術、生殖外科、遺伝診療、妊孕性温存を柱とし、小児科・小児外科・麻酔科・放射線科・内科・外科・臨床遺伝学センター・基礎教室などとの緊密な連携のもと、最先端かつ包括的な医療を実践しています。とりわけ産科領域においては、分娩、手術、生殖医療、遺伝診療、内分泌医療を一体として経験できる環境が、産婦人科医としての確固たる基盤を形成します。安全性と質を最優先とした医療体制のもと、確かな臨床力・研究力・判断力を養うことが可能です。
さらに私たちは、患者さん中心の医療の実践として、Shared Decision Making(SDM)を重視しています。科学的根拠に基づく情報をわかりやすく提供しつつ、患者さん一人ひとりの価値観やライフプランを尊重し、医療者と患者さんが協働して最適な意思決定を行うことを大切にしています。とくに産婦人科領域では、妊娠・出産、生殖医療、がん治療と妊孕性温存など、人生に深く関わる意思決定が求められる場面が多く、SDMの実践は医療の質そのものを高める重要な要素であると考えています。
一方、AI技術の進展とDXの加速により、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。これからの医療に求められるのは、単に技術を習得する医師ではなく、複雑化する課題の本質を見極め、多職種と協働しながら最適解を導き、新たな価値を創出できる医療人です。当教室は、そのような先導者を育成する場でありたいと考えています。主体的に学び挑戦し続ける意志を持つ方に、臨床・研究・教育のあらゆる機会を提供し、国内外で活躍できる環境を整えています。
産婦人科医に求められる資質は一様ではありません。多様な経験と価値観こそが医療の質を高める原動力となります。当教室はダイバーシティを尊重し、一人ひとりの志向に応じたキャリア形成を支援します。臨床を極めたい方、研究に挑戦したい方、国際的に活躍したい方、地域医療に貢献したい方——そのすべての志を歓迎します。現状に満足することなく一歩先を見据え、挑戦を続ける。その志を共有する仲間とともに、患者さんと社会に貢献する新しい産婦人科医療を提供してまいります。
令和8年4月
慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室
教授 小野 政徳
(慶應義塾大学病院 産科診療部長)