当院では、「子宮頸癌を対象とした腫瘍浸潤リンパ球療法(TIL療法)」を実施しております。この治療は慶應義塾特定認定再生医療等委員会により第3種再生医療として「適」と判定され、加えて、厚生労働省先進医療会議において先進医療として許可されたものです。
進行・再発子宮頸癌は、極めて難治で、有効な薬剤は限られています。TIL療法は、患者さん本人のがん組織に含まれるリンパ球と呼ばれる免疫細胞を採取して体外で大量に培養し、患者さんに戻す養子免疫療法の一種です。TIL療法の注目すべき特徴は、期待される高い奏効率に加え、TIL療法でいったんがんが消滅した場合、その後の再発は少なく、完治する可能性もあると報告されていることです。慶應義塾大学では、このTILの培養技術を日本で唯一確立し、今回、最大14名の進行子宮頸癌を対象として、TIL療法を実施します。詳しくは添付ファイルをご覧ください。
当院では、「血中循環腫瘍DNA陽性の腫瘍減量術後進行卵巣がん患者を対象としてベバシズマブ+ニラパリブ併用療法とニラパリブ単剤維持療法を比較する無作為化第Ⅱ相試験」を実施しております。
血中循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA、以下ctDNA)は血液中に微量に存在する腫瘍由来のDNAです。リスク因子としてのctDNAの有用性を明らかにするとともに、再発高リスクと考えられる術前化学療法―腫瘍減量術後のctDNA陽性例に対して、現在の標準治療でありますPARP阻害薬ニラパリブ単剤での維持療法に比べてニラパリブ+ベバシズマブ併用の維持療法の効果があるかを検証します。
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なお、本試験の詳細はjRCT(臨床研究実施計画・研究概要公開システム)で公開されています。計画番号はjRCT2031220732です。
https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2031220732