妊婦健診
当院では原則として担当医制で妊婦健診を行っております。一般に、妊娠初期 (~妊娠13週)には2週間ごと、妊娠中期には3~4週間(妊娠14週~妊娠27週)ごとに健診を行います。また、妊娠後期には(妊娠28週~)に概ね2週間ごとに健診を行い、特に臨月(妊娠37週~)には毎週健診にお越しいただきます。
妊婦健診としての子宮底長の測定や尿検査、体重・血圧測定の他に以下の臨床検査を行っております。
I 妊娠初期
血液検査、子宮頸癌スクリーニング検査、クラミジア検査および超音波検査を行います。
- 血液検査
- 血液型( ABO、RhD)
- 間接クームステスト(不規則抗体スクリーニングテスト) 胎児貧血を起こす可能性がある不規則抗体の有無を検査します。
- 末梢血(白血球・赤血球・血小板の数・ヘモグロビン濃度) 貧血などの有無を検査します。
- 血糖値・ヘモグロビンA1c・グリコアルブミン糖代謝異常の有無をスクリーニングします。
- 肝炎ウイルスB型およびC型肝炎に感染していないか検査します。
- 梅毒血清反応妊娠中に感染していると胎児に病気が起こることがあります。
- 成人T細胞白血病ウイルス、HIVウイルス母児感染予防のためにも特に大切な検査です。
- 風疹抗体価妊娠中に感染すると胎児に病気が起きることがあります。また、抗体価が低値の場合には、分娩後に予防接種を推奨しております。
- 子宮頸癌スクリーニング検査
子宮頸部の細胞診を行います。
- クラミジア検査
母体がクラミジアに感染していると分娩時に産道感染をおこし、出生後児に肺炎や結膜炎の症状が出現することがあります。
- 超音波検査
診察時に、子宮内での妊娠であることや胎児の数・大きさ、胎児心拍を確認するとともに、卵巣腫瘍・子宮筋腫の有無について調べます。分娩予定日は通常最終月経の第1日目から数えて280日目(満40週0日)として計算します。しかし、この算出方法は排卵日の個人差を考慮していないため、月経周期が不整な方では、本来の分娩予定日と大きく異なる場合があります。そこで、妊娠初期の超音波検査で胎児の大きさを計測することにより正確な分娩予定日を決めることにしております。
風疹(三日はしか)、麻疹(はしか)、流行性耳下腺炎(おたふく)、水痘(みずぼうそう)感染の既往や予防接種歴については、別紙のアンケートに記入し、担当医にお渡しいただきます。
II 妊娠中期
超音波検査、血液検査を行います。
- 超音波検査
妊娠20週および28週頃に、胎児発育や胎児の異常、胎盤の位置などについて調べます。
- 胎児の性別判定を希望される方は検査時にその旨をお申し出ください。妊娠28週 頃が観察しやすい時期です。
- ご希望に応じて、4次元(リアルタイムの3次元画像)超音波も施行いたします。 妊娠28週頃が観察しやすい時期です。超音波検査施行の際にお申し出下さい。(尚、 別途費用(3000円)がかかります。)
- MeDaCaアプリ(無料)をご利用いただくことで、お持ちのスマートホンに胎児超音波の画像をお送りすることができます。
血液検査
妊娠24~26週頃に、以下の検査を行います。
- 末梢血(白血球・赤血球・血小板の数・ヘモグロビン濃度)
- 血糖
妊娠中期以降に妊娠糖尿病が生じることがあります。妊婦健診時に糖水を飲ん でいただき、1時間後の血糖値を調べます。当日は普段と同じ食事をとって健 診においでください。 結果によっては、後日精密検査が必要となります。
III 妊娠後期
超音波検査、血液検査、細菌培養検査および胎児心拍数モニタリングを行います。
- 超音波検査
妊娠34週、40週頃に胎児発育や胎児の異常、胎盤の位置などについて調べます。 ご希望に応じて、4次元(リアルタイムの3次元画像)超音波も施行いたします。 超音波検査施行の際にお申し出下さい。(尚、別途費用(3000円)がかかります。)
- 血液検査
妊娠34週頃に末梢血(白血球・赤血球・血小板の数・ヘモグロビン濃度)につ いて最終確認を行います。
- 細菌培養検査(腟分泌物)
妊娠35~37週頃に細菌性腟炎の有無について調べます。腟内における細菌感染 が分娩時に胎児に影響することがあります。
- 胎児心拍数モニタリング
妊婦37週頃から胎児の元気さと子宮収縮をチェックするために、2種類のセンサーを母体腹部につけ、胎児心拍数と母体の子宮収縮を約30分間測定します。こ のほかにも、妊娠高血圧症候群などの合併症を認める場合や推定体重が妊娠週数に比して小さい胎児発育不全では必要に応じてこの検査を行います。
必要に応じて血液検査や超音波検査を追加することもあります。その際には適宜担当医より説明いたします。
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