永井晋平君(92期)が第81回日本癌学会学術総会においてJCA若手研究者ポスター賞を受賞
2022年9月29日から3日間、パシフィコ横浜で開催された第81回日本癌学会学術総会(パシフィコ横浜)において、永井晋平君( 92期)がJCA若手研究者ポスター賞を受賞した。受賞演題は、「マウス卵管上皮オルガノイドを用いた新規卵巣癌マウスモデルの開発」である。同君は、正常上皮の培養に優れた3D培養技術であるオルガノイド培養法を用いて、マウスの正常卵管上皮細胞を培養し、卵巣高異型度漿液性癌に特徴的な遺伝子異常を導入することにより、ヒトの高異型度漿液性癌を模倣する新規のモデルマウスを開発することに成功し、その成果を発表した。卵巣高異型度漿液性癌は、近年PARP阻害薬の導入により予後の改善が期待されているが、一方でプラチナ製剤やPARP阻害薬への感受性が低い高異型度漿液性癌は依然として予後不良な疾患である。同君は、プレゼンテーションにおいて、開発したマウスがプラチナ製剤やPARP阻害薬への感受性が低い高異型度漿液性癌を模倣するモデルであり、新たな治療標的の同定やトランスレーショナル研究への応用が期待できることを丁寧に説明、質疑応答したことが評価され、受賞に至ったと考える。
同君は現在、同モデルを用いて新たな治療標的を同定し、臨床応用に繋げるべく、熱意を持って、日々実験を行なっている。今回の経験を糧に、更なる研鑽を積み、益々の活躍を期待したい。