学会受賞

2024(令和6)年

2024.05.20

椎名美季君(95期)が第4回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術集会において一般演題(ポスター)優秀演題賞を受賞

2024年5月18日から19日に昭和大学上條記念館で開催された第4回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術集会において、椎名美季君(95期)が一般演題(ポスター)優秀演題賞を受賞しました。

受賞演題は、「遺伝性乳癌卵巣癌へのリスク低減卵管卵巣摘出術後に発生する更年期症状に対する治療と課題」です。遺伝性乳癌卵巣癌(Hereditary Breast and Ovarian Cancer: HBOC)と診断された女性に対しては、卵巣癌のリスクを低減するためにリスク低減卵管卵巣摘出術(Risk Reducing Salpingo-Oophorectomy: RRSO)が推奨されています。しかし、閉経前にRRSOを実施した場合、術後の更年期症状を引き起こす可能性があり、その治療が課題となっています。

同君は、閉経前にRRSOを実施した方の更年期症状やそれに対する治療方法を後方視的に検討し、現状の治療方法を把握するとともに、今後の課題を明らかにしました。HBOC診療の一部が保険収載され、今後ますますこの分野への対応が求められる中、女性医学の視点から現状を丁寧に報告した点が評価され、今回の受賞につながったと思います。

同君は、日々の臨床の中で、女性医学と遺伝医学の両分野の研修を積んできました。今回の経験を糧に、今後も女性医学と遺伝医学の両方の視点からさらなる研鑽を積み、ますますの活躍を期待しています。

椎名美季君(95期)が第4回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術集会において一般演題(ポスター)優秀演題賞を受
(84期 増田 健太 記)

2024.04.20

松田理沙君(97期)が第76回日本産科婦人科学会で JSOG Congress Encourage Award を受賞

22024年4月19日から21日にパシフィコ横浜ノースで開催された第76回日本産科婦人科学会学術講演会において産婦人学教室 松田理沙君(97期)が "Assessment of clinical features and immunological desert tumor microenvironment of gastric-type adenocarcinoma of the cervix uteri" の演題で JSOG Congress Encourage Awardを受賞した。同君は、昨年開催された第145回関東連合産科婦人科学会学術集会での優秀演題賞、また第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会での優秀演題賞受賞に引き続く3学会連続での受賞となった。

今回同君は子宮頸がんにおける予後不良な組織型である胃型腺癌に着目し、発現遺伝子プロファイルならびにがん免疫微小環境に関する報告を行った。これらの検討に加え、胃型腺癌では切除不能な進行癌で発見されることの多く腫瘍全体の免疫環境を把握しにくい問題点を解決するため、MRI画像情報を用いたRadiomics解析を行い、腫瘍全体の免疫環境の解析を行った。その結果、胃型腺癌では腫瘍組織中の免疫細胞浸潤が少なく、また免疫環境の予測にRadiomics解析が有用であることを見出した。

同君は、日々多忙な臨床業務に従事する傍ら、昨年度の子宮頸癌の広汎子宮頸部摘出術に関する報告での2度の受賞に続き、胃型腺癌の治療成績の向上に向けた課題を検証し、その成果が高く評価され今回の受賞となった。今回の経験を糧に、今後も研鑽を積み、さらなる飛躍を期待したい。

松田理沙君(97期) が第76回日本産科婦人科学会で JSOG Congress Encourage Award を受賞
(産婦人科学教室(婦人科)教授 山上 亘 79回)

2024.02.24

落合大輔君(99期)が第408回東京産科婦人科学会例会にて若手奨励賞を受賞

2024年2月24日にJA共済ビルにて開催された第408回東京産科婦人科学会例会において、教室の落合大輔君(99期)が若手奨励賞を受賞しました。同君の演題は「原発性卵巣癌が疑われたが審査腹腔鏡により転移性卵巣癌と診断された2例」です。

腹膜播種を伴う卵巣腫瘍はときに転移性卵巣癌であることがあります。画像診断や血液学的所見だけではその診断は困難であることがあり、審査腹腔鏡を行うことにより虫垂癌、乳癌の転移性卵巣癌であることが判明した2症例を詳細に発表しました。

腹膜播種を伴う卵巣悪性腫瘍において、以前は腹水細胞診のみの診断で薬物療法を行うことが多かったですが、近年は正確な診断をつける、HRD検査を含むゲノム検査を行う、ために薬物療法の前に組織採取を行うことが重要になってきています。報告した2症例においては画像診断で原発巣の同定が困難であり、審査腹腔鏡により転移性卵巣癌の診断が可能となったため、不必要な開腹手術を避けることができ、また早期の治療開始が可能となりました。審査腹腔鏡はこのように、ゲノム検査を行う以外にも、転移性卵巣癌の正確な診断と適切な治療方針の決定のために有用であることを報告しました。症例からよく学び、質疑応答においても自分の考えを聴衆に伝えられたことが受賞につながったと思います。

同君は専攻医3年目で、日々婦人科腫瘍の勉強をしています。これからも1例1例を大切に、さらなる研鑽を積んでいってほしいと思います。

落合大輔君(99期)が第408回東京産科婦人科学会例会にて若手奨励賞を受賞
(83期 千代田 達幸 記)




Back to top