学会受賞

2024(令和6)年

2024.10.20

今井愛理君(98期) 関東連合産科婦人科学会で優秀演題賞を受賞

2024年10月19日から20日に長野県松本市ホテルブエナビスタで開催された第148回関東連合産科婦人科学会学術集会において、演題「子宮頸癌に対し広汎子宮頸部摘出術を施行した症例の腫瘍学的予後および再発因子の検討」で産婦人科学教室 今井愛理君(98期)が優秀演題賞を受賞した。

同君の報告は、2003年から当院が積極的に行っている子宮頸癌に対する妊孕性温存術式である腹式広汎子宮頸部摘出術の腫瘍学的予後を広汎子宮全摘出術と比較し、また本手術後の再発に関わる臨床病理学的因子について明らかにしたものである。当院での過去20年間におよぶ多くの臨床経験に基づいて本術式の治療成績や再発因子を明らかにした点が高く評価されての受賞となった。

同君は、日々多忙な臨床業務に従事しながら、本術式の多数の臨床経験に関してレビューを行い、治療成績を検討し考察した。今回の経験を糧に、今後も研鑽を積み、さらなる飛躍を期待したい。

今井愛理君(98期) 関東連合産科婦人科学会で優秀演題賞を受賞
(産婦人科学教室(婦人科)教授 山上 亘 79回)

2024.10.12

松田理沙君(97期)がJapanese Society for the Advancement of Women's Imaging 第25回シンポジウムで優秀ポスター賞を受賞

2024年10月11日・12日に淡路夢舞台国際会議場で開催されたJapanese Society for the Advancement of Women's Imaging 第25回シンポジウムにおいて、産婦人学教室 松田理沙君(97期)が " MRI画像のRadiomics解析による子宮頸部胃型腺癌の組織学的浸潤様式および免疫微小環境の予測" の演題で優秀ポスター賞を受賞した。同君は、昨年開催された関東連合産科婦人科学会学術集会での優秀演題賞、日本婦人科腫瘍学会学術講演会、および本年4月の日本産科婦人科学会学術講演会優秀演題賞受賞に引き続いての受賞となった。

同君は子宮頸がんにおける予後不良な組織型である胃型腺癌に着目し、画像解析技術を利用した腫瘍の浸潤様式およびがん免疫微小環境の予測に関して研究成果を報告した。本研究で、腫瘍の浸潤様式および免疫療法のターゲットとなる免疫微小環境の予測にMRI画像を用いたRadiomics解析が有用であることを明らかにした。切除不能な進行癌で発見されることの多い胃型腺癌において、画像解析の活用により腫瘍の全体像の把握を可能にする新たなアプローチであり、今後更なる発展が期待される。

同君は、日々多忙な臨床業務に従事する傍ら、胃型腺癌の治療成績の向上に向けた課題を検証し、その成果が注目され今回の受賞となった。今回の経験を糧に、今後も研鑽を積み、さらなる飛躍を期待したい。

松田理沙君(97期) がJapanese Society for the Advancement of Women's Imaging第25回シンポジウムで優秀ポスター賞を受賞
(産婦人科学教室(婦人科)教授 山上 亘 79回)

2024.06.15

内田志穂君(94期)が第147回関東連合産科婦人科学会学術集会において優秀演題賞を受賞

2024年6月15日から16日に都市センターホテルで開催された第147回関東連合産科婦人科学会学術集会において、内田志穂君(94期)が優秀演題賞を受賞しました。同君の受賞演題は、「胚の形態学的評価に基づく二胚移植(DET)の出生率・多胎のリスクの評価」です。

令和4年より開始された一部の生殖補助医療への保険適応に際して、43歳未満の年齢制限と胚移植の回数制限が設定されました。形態良好胚は移植あたりの妊娠成績が高いと期待されるものの、高齢や合併症を有する不妊患者では形態良好胚の獲得に苦慮することがあります。形態良好胚は移植あたりの高い妊娠成績が期待されますが、高齢や合併症を抱える不妊患者では形態良好胚の獲得が難しいこともあります。二胚移植は妊娠成績の改善が期待される一方で、形態不良胚を用いた二胚移植では妊娠成績が低下する可能性が報告されています。また、多胎妊娠による周産期・新生児合併症のリスクもあるため、形態不良胚の取り扱いに悩む現状があります。

同君は、当院で行われた約8年分の移植周期において、移植胚の個数、形態学的評価の観点から妊娠成績を明らかにし、形態不良胚を用いた二胚移植は、形態不良胚の単一胚移植と比較して、妊娠率・出生率は有意に高い一方で、流産率・多胎率に有意差は認めなかったことを示しました。

妊娠成績だけでなく、周産期予後を考慮した母子ともに安全な生殖補助医療が求められる中で、移植胚の個数および形態学的評価に基づくアプローチにより、生殖補助医療の有効性と安全性を検討したことが、今回の受賞に繋がったと考えられます。

同君は、日々の診療の中で患者との対話の中から生まれた臨床上の疑問の一端を本解析により明らかにしました。ワークライフバランスを大切にしながら、今後も生殖医学および遺伝医学の両面からさらに研鑽を積み、ますますの活躍を期待しています。

内田志穂君(94期)が第147回関東連合産科婦人科学会学術集会において優秀演題賞を受賞
(81期 山田 満稔 記)

2024.05.20

椎名美季君(95期)が第4回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術集会において一般演題(ポスター)優秀演題賞を受賞

2024年5月18日から19日に昭和大学上條記念館で開催された第4回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術集会において、椎名美季君(95期)が一般演題(ポスター)優秀演題賞を受賞しました。

受賞演題は、「遺伝性乳癌卵巣癌へのリスク低減卵管卵巣摘出術後に発生する更年期症状に対する治療と課題」です。遺伝性乳癌卵巣癌(Hereditary Breast and Ovarian Cancer: HBOC)と診断された女性に対しては、卵巣癌のリスクを低減するためにリスク低減卵管卵巣摘出術(Risk Reducing Salpingo-Oophorectomy: RRSO)が推奨されています。しかし、閉経前にRRSOを実施した場合、術後の更年期症状を引き起こす可能性があり、その治療が課題となっています。

同君は、閉経前にRRSOを実施した方の更年期症状やそれに対する治療方法を後方視的に検討し、現状の治療方法を把握するとともに、今後の課題を明らかにしました。HBOC診療の一部が保険収載され、今後ますますこの分野への対応が求められる中、女性医学の視点から現状を丁寧に報告した点が評価され、今回の受賞につながったと思います。

同君は、日々の臨床の中で、女性医学と遺伝医学の両分野の研修を積んできました。今回の経験を糧に、今後も女性医学と遺伝医学の両方の視点からさらなる研鑽を積み、ますますの活躍を期待しています。

椎名美季君(95期)が第4回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術集会において一般演題(ポスター)優秀演題賞を受
(84期 増田 健太 記)

2024.04.20

松田理沙君(97期)が第76回日本産科婦人科学会で JSOG Congress Encourage Award を受賞

22024年4月19日から21日にパシフィコ横浜ノースで開催された第76回日本産科婦人科学会学術講演会において産婦人学教室 松田理沙君(97期)が "Assessment of clinical features and immunological desert tumor microenvironment of gastric-type adenocarcinoma of the cervix uteri" の演題で JSOG Congress Encourage Awardを受賞した。同君は、昨年開催された第145回関東連合産科婦人科学会学術集会での優秀演題賞、また第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会での優秀演題賞受賞に引き続く3学会連続での受賞となった。

今回同君は子宮頸がんにおける予後不良な組織型である胃型腺癌に着目し、発現遺伝子プロファイルならびにがん免疫微小環境に関する報告を行った。これらの検討に加え、胃型腺癌では切除不能な進行癌で発見されることの多く腫瘍全体の免疫環境を把握しにくい問題点を解決するため、MRI画像情報を用いたRadiomics解析を行い、腫瘍全体の免疫環境の解析を行った。その結果、胃型腺癌では腫瘍組織中の免疫細胞浸潤が少なく、また免疫環境の予測にRadiomics解析が有用であることを見出した。

同君は、日々多忙な臨床業務に従事する傍ら、昨年度の子宮頸癌の広汎子宮頸部摘出術に関する報告での2度の受賞に続き、胃型腺癌の治療成績の向上に向けた課題を検証し、その成果が高く評価され今回の受賞となった。今回の経験を糧に、今後も研鑽を積み、さらなる飛躍を期待したい。

松田理沙君(97期) が第76回日本産科婦人科学会で JSOG Congress Encourage Award を受賞
(産婦人科学教室(婦人科)教授 山上 亘 79回)

2024.04.19

池ノ上 学君(86期)が第76回日本産科婦人科学会学術集会で学術奨励賞を受賞

2024年4月19日~21日にパシフィコ横浜で開催された第76回日本産科婦人科学会学術講演会において、産婦人科学教室の池ノ上学君(86期)が、学術奨励賞を受賞しました。本賞は産婦人科領域において卓越した研究業績をあげ、将来を嘱望される学会員を表彰するものです。受賞テーマは「超音波を用いた新たな胎児発育評価」で、専門領域とする胎児超音波を用いたこれまでの研究成果が評価され、受賞に繋がりました。

子宮内環境が小児期・成人期のメタボリックシンドロームに関連するという、DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)の概念が、産科領域だけでなく小児科さらに内科領域でも注目されています。当初提唱された、母体の低栄養が胎児に影響を与える「Thrifty hypothesis」に加えて、母体過栄養による胎児プログラミング、つまり過剰な栄養素の供給による胎児期の脂肪酸酸化や糖新生の抑制および脂肪の蓄積が、小児肥満や早期発症メタボリックシンドロームにつながるとする「Fuel overload hypothesis」も、近年クローズアップされています。池ノ上君は胎児発育に関し、これまで注目されてこなかった胎児脂肪量に着目し、超音波パラメーターを用いて新生児体脂肪率の予測因子や胎児脂肪量の規定因子の探索を目指し研究を継続してきました。その結果、胎児脂肪量から新生児体脂肪率を予測可能であることを明らかとし、さらに母体のインスリン抵抗性や血清レプチン濃度、胎盤から胎児肝臓への血液還流量、胎盤由来のCorticotrophin-releasing hormoneなどが胎児発育や脂肪蓄積の評価における重要なパラメーターとなりうることを示しました。

これまでに新生児期の体脂肪率と、小児期の体脂肪率や肥満との関連が報告されていますが、それに加えて胎児脂肪量の計測およびその規定因子の解明を行った今回の一連の研究により、肥満の起原はその一部が胎児期まで遡る可能性が明らかとなりました。今後、胎児脂肪量や肝血流量などの新たな胎児超音波の指標を用いて、胎児発育の詳細な評価を行い、出生後は小児科と連携の上で児の長期フォローアップも行っていくことで、児の周産期予後のみでなく長期予後に関連する病態の解明や、早期発症メタボリックシンドロームの一次予防へとつながる可能性があり、今後のさらなる研究の発展が期待されます。

池ノ上 学君(86期)が第76回日本産科婦人科学会学術集会で学術奨励賞を受賞
産婦人科学教室(産科)教授 田中 守

2024.02.24

落合大輔君(99期)が第408回東京産科婦人科学会例会にて若手奨励賞を受賞

2024年2月24日にJA共済ビルにて開催された第408回東京産科婦人科学会例会において、教室の落合大輔君(99期)が若手奨励賞を受賞しました。同君の演題は「原発性卵巣癌が疑われたが審査腹腔鏡により転移性卵巣癌と診断された2例」です。

腹膜播種を伴う卵巣腫瘍はときに転移性卵巣癌であることがあります。画像診断や血液学的所見だけではその診断は困難であることがあり、審査腹腔鏡を行うことにより虫垂癌、乳癌の転移性卵巣癌であることが判明した2症例を詳細に発表しました。

腹膜播種を伴う卵巣悪性腫瘍において、以前は腹水細胞診のみの診断で薬物療法を行うことが多かったですが、近年は正確な診断をつける、HRD検査を含むゲノム検査を行う、ために薬物療法の前に組織採取を行うことが重要になってきています。報告した2症例においては画像診断で原発巣の同定が困難であり、審査腹腔鏡により転移性卵巣癌の診断が可能となったため、不必要な開腹手術を避けることができ、また早期の治療開始が可能となりました。審査腹腔鏡はこのように、ゲノム検査を行う以外にも、転移性卵巣癌の正確な診断と適切な治療方針の決定のために有用であることを報告しました。症例からよく学び、質疑応答においても自分の考えを聴衆に伝えられたことが受賞につながったと思います。

同君は専攻医3年目で、日々婦人科腫瘍の勉強をしています。これからも1例1例を大切に、さらなる研鑽を積んでいってほしいと思います。

落合大輔君(99期)が第408回東京産科婦人科学会例会にて若手奨励賞を受賞
(83期 千代田 達幸 記)




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