学会受賞

2025(令和7)年

2025.04.07

木須伊織君(83期)が第37回日本内視鏡外科学会総会にて優秀演題賞を受賞

木須伊織君(83期)の発表演題が、2024年12月に開催された第37回日本内視鏡外科学会総会において、優秀演題として選出されました。

本賞は多数の演題の中から、特に臨床的・学術的に優れた発表に対して贈られるものであり、今回の受賞演題は「当院におけるMayer-Rokitansky-Küster-Hauser(MRKH)症候群に対する腹腔鏡補助下造腟術とその管理について」です。

MRKH症候群(ロキタンスキー症候群)は先天的に子宮や腟を欠損する稀な先天性疾患であり、女性にとっては思春期以降の性機能を含めたQOLに大きく影響することから、治療においては手術の技術のみならず、術後の継続的な管理も極めて重要です。本演題では、腹膜を利用して腟を形成するDavydov変法を基に、改良を加えた新しい腹腔鏡補助下造腟術の術式を確立するとともに、術後の腟短縮を防ぐための工夫、ならびにプロテーゼやダイレーターを用いたセルフケア指導など、長期的な予後を見据えた管理について報告され、高く評価されました。

木須君は女性生殖器の形態異常を有する患者の診察および手術に精力的に取り組んでいます。これまでにロキタンスキー症候群の患者を100名以上診察し、約40名に観血的造腟術を施行してきた経験を有し、慶應義塾大学病院は現在、国内有数の造腟術施行数を誇る施設として広く知られ、全国から多くの患者様をご紹介いただいております。また、当院では性分化疾患(DSD)センターを設置しており、木須君は婦人科の立場から、小児科・泌尿器科・小児外科・形成外科など他診療科と連携しながら、DSD患者に対する診療やサポート体制の整備にも多くの貢献を果たしています。

今回の受賞は、これまでの診療実績と技術の研鑽に基づいた成果であり、生殖器再建外科および女性のQOL向上に大きく寄与するものです。木須君のさらなる活躍と、子宮移植や子宮再生研究を含む次世代の生殖医療の展開に、引き続き大きな期待が寄せられます。

(79期 山上 亘 記)

2025.02.22

杉山紗耶君(101期)が第408回東京産科婦人科学会例会にて若手奨励賞を受賞

2025年2月22日にJA共済ビルにて開催された第412回東京産科婦人科学会例会において、教室の杉山紗耶君(101期)が若手奨励賞を受賞した。

同君の演題は「卵巣性索腫瘍類似子宮腫瘍(Uterine tumors resembling ovarian sex cord tumors; UTROSCT) 2症例の検討」である。

子宮体部間葉系腫瘍において非常に稀な疾患である卵巣性索腫瘍類似子宮腫瘍(Uterine tumors resembling ovarian sex cord tumors; UTROSCT)について、診断・治療について発表を行った。
UTROSCTは多くは良性な臨床経過を辿るが、再発する可能性もある子宮間葉由来の低悪性度腫瘍と位置づけられており、非常に稀であるためその診断プロセス・治療に関して統一した見解が得られていない。
少数例ながら自施設での経験を踏まえ、診断、治療に関する文献的考察を行い、今後のUTROSCTの診療の方向性を明確に示した点が評価され、今回の受賞に繋がったと考えられる。

同君は、産婦人科専攻医1年目であり、日々多忙な臨床業務に従事しながら準備を重ね、発表に至った。今回の経験を契機に、今後も更なる研鑽を積み、同君の更なる飛躍を期待したい。

杉山紗耶君(101期)が第408回東京産科婦人科学会例会にて若手奨励賞を受賞

(85期 辻 浩介 記)


2025.02.15

金澤紀徳君(99期)第8回日本子宮鏡研究会学術講演会で若手奨励賞を受賞

2025年2月15日から16日に一橋講堂(東京都)で開催された第8回日本子宮鏡研究会学術講演会において、演題「当院で異型ポリープ状腺筋腫に対し子宮鏡下手術により子宮温存可能であった28例の検討」で産婦人科学教室金澤紀徳君(99期)が若手奨励賞を受賞しました。

異型ポリープ状腺筋腫(APAM)は比較的若年に認められる良性腫瘍でありながら、子宮体癌や子宮内膜異型増殖症の合併を認めることがあり、標準治療が確立しておらず、子宮温存の是非は議論があるところです。そのため、しばしば子宮摘出も選択され、妊孕性の喪失が臨床上の課題となってきました。

今回同君は、APAMにおいて子宮鏡下手術に高用量黄体ホルモン療法を併用することによる良好な病変消失率や妊娠率を明らかにし、妊孕性温存療法の有用性を示したその成果が高く評価され、今回の受賞となりました。

この経験を糧にさらなる研鑽を積み、益々の活躍を期待したいと思います。

金澤紀徳君(99期)第8回日本子宮鏡研究会学術講演会で若手奨励賞を受賞

(88期 坂井 健 良記)





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